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バリウム検査と胃カメラ検査

胃カメラ検査とバリウム検査:どちらがおすすめ?

胃の検査を受ける際に、バリウム検査と胃カメラ(胃内視鏡検査)のどちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。本記事では、両者のメリットとデメリットを比較し、胃カメラ検査をおすすめする理由を詳しく解説します。

胃カメラ検査のメリット

胃の中を直接観察が可能

胃カメラ検査はスコープの先端にCCDカメラを搭載しており、胃の内部を直接観察することができます。ポリープやがんの発見に加え、必要に応じて組織を採取して確定診断を行うことも可能です。また、IEE(画像強調内視鏡)や拡大内視鏡検査といった最新技術を使用することで、早期がんの発見にも優れています。

鎮静剤の使用

胃カメラ検査では鎮静剤(静脈麻酔)を使用することで、咽頭反射が強い患者さんでも、楽に検査を受けることができます。特に口から行う場合には鎮静剤を使用するケースが多いですが、鎮静剤をせずとも苦しくない内視鏡検査を受診されたいという方には、鼻からスコープを挿入する経鼻内視鏡を選択することも可能です。

当院の胃カメラ検査について詳細はこちらをご確認ください。

バリウム検査のメリットとデメリット

▼メリット

バリウム検査(二重造影法)は、日本でも広く行われている検査方法で、胃がん検診や企業健診に多く利用されています。厚生労働省の指針にも「胃部エックス線検査または胃内視鏡検査のいずれか」と明記されており、がんや潰瘍の発見に一定の効果があります。胃がん検診文献レビュー委員会によると、バリウム検査は胃がん死亡率を約40%減少させる効果があるとされています。

▼デメリット

しかし、バリウム検査は胃の内部を直接観察するわけではなく、異常が見つかった場合には、結局胃カメラによる精密検査が必要となります。さらに、バリウム検査は古くからの方法であり、最先端の医療技術の恩恵を受けにくいという点もあります。下記に詳細を記載いたしました。ご確認ください。

バリウム検査のデメリットは以下の7つです。

  • バリウムによる腸閉塞のリスク
  • 放射線被ばく(胸部レントゲンの約200倍以上)
  • 胃粘膜の色がわからない
  • 要精密検査となると内視鏡検査が必須
  • 検査後に下剤を飲まなければならない
  • 胃液が多いと検査精度が下がる
  • げっぷをすると再度発泡剤の服用が必要

バリウムによる腸閉塞のリスク

バリウムを飲んだ後は、下剤を飲み体の中から出し切る必要があります。バリウムが腸内で貯留してしまうと、腸内の水分が吸収されすぎ便が硬くなり詰まってしまいます。便が詰まると腸閉塞や腸内の圧力が高まり、腸穿孔となり外科手術で腸を切除しなければなりません。

放射線被ばく

バリウム検査は、放射線を使用するので放射線被ばくします。国立がん研究センターによると、バリウム検査での被ばく量は3.7〜4.9mSv、胸の単純撮影は0.02mSvなので約200倍以上の被ばく量です。当然人体には影響のない被ばく量ではありますが、「被ばく」にはいいイメージがないため、できることなら被ばくしたくない方も多いと思います。

胃粘膜の色がわからない

バリウム検査では白黒の濃淡画像で結果を判断します。そのため胃粘膜表面の色はわかりません。病変は赤みを帯びていたり白色だったりしており、色でどんな病気なのか切り分けることもできます。色という情報が手に入らないのは、より詳細な診断ができないためデメリットと言えます。

要精密検査となると内視鏡検査が必須

バリウム検査で要精密検査と判断された場合、追加で内視鏡検査を行う必要があります。二度手間となってしまいます。何かあった場合は、内視鏡検査を受ける必要があるなら、最初から内視鏡検査を受けた方がいいと考える人も多いです。

検査後に下剤を飲まなければならない

先に説明した通り、バリウム検査を受けた後は下剤を飲み、バリウムを体外に出し切る必要があります。下剤を飲んだ後は頻繁にトイレに行く必要があるため、行動が制限されます。バリウムを含んだ便は、流れにくいので処理するのが大変なこともあります。

胃液が多いと検査精度が下がる

胃内に胃液などの液体が多い場合には、バリウムが薄まり検査の精度が低くなります。濃度の高いバリウムを胃粘膜表面に付着させ凹凸を見分けますが、バリウムが薄まってしまうとキレイに撮影できません。バリウム検査では胃液を吸い取れないため、検査の精度が落ちてしまうことがあります。

げっぷをすると再度発泡剤の服用が必要

バリウム検査では胃を膨らませるために発泡剤を飲む必要があります。発泡剤を飲み込むと、炭酸ジュースを飲んだ時のようにげっぷがしたくなりますが、げっぷを我慢しなければなりません。げっぷをすると胃がしぼみ検査できなくなるので、再度発泡剤を服用し胃を膨らませます。げっぷを我慢するのが苦手な人には不向きな検査です。

医療従事者はバリウム検査を受けるのか?

医療従事者である私たちがバリウム検査を受けることはほとんどありません。私の周囲の医療従事者でもバリウム検査を受けたという話を聞くことは稀です。その理由はいくつかあります。

なぜ医療従事者はバリウム検査を避けるのか?

バリウム検査は1960年代に導入され、基本的な検査方法は当時からほとんど変わっていません。一方、胃カメラ(胃内視鏡検査)は、技術の進歩により非常に精密な検査が可能となり、多くの医療従事者はこの最先端の技術を活用することを選びます。

また、バリウム検査は手軽であると思われがちですが、実際には検査自体が大変な場合があります。さらに、バリウム検査で異常が見つかった場合には、結局胃カメラによる追加の精密検査が必要になります。このため、初めから胃カメラを選択する方が合理的であると考えられます。

結論、バリウム検査と胃カメラのどちらを選ぶか迷っている方には、胃カメラをおすすめします。胃カメラはより正確で、異常が発見された場合の追加検査も不要です。医療従事者としての経験からも、胃カメラがより効果的であることを実感しています。本記事にて、バリウム検査と胃カメラの違いについて理解を深めていただき、適切な検査を選択するきっかけになったらと思っておりますがいかがでしょうか。

もちろん胃カメラ検査でも鎮静剤を使用すると公共交通機関しか使えないことや、鎮静剤をしないと咽頭反射で苦しいことがある場合もありますが、胃がんの早期発見やそれ以外の症状を直接観察する点においては胃カメラ検査の方が優れているということをご理解いただけたのではないでしょうか。

奈良県斑鳩町で胃カメラ検査をお探しの方は、当院でも受診可能です。24時間webより予約を受け付けておりますので、ぜひご予約ください。

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