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甲状腺機能低下症

このような症状は甲状腺機能低下症かも

  • 体がだるく、いつも疲れている感じが続く
  • 食生活が変わらないのに体重が増加する
  • 寒さに敏感になり、常に冷えを感じる
  • 肌が乾燥し、髪が抜けやすくなる
  • 精神的に落ち込みやすくなること
  • 物忘れがひどくなったり、集中力が続かない
  • 生理不順や生理痛がひどくなる
  • 便秘になる
  • 血圧が低くなり、めまいや立ちくらみを感じる
  • 抜け毛が増える

これらの症状は甲状腺機能低下症の患者様にみられる症状です。
上記の症状に思い当たることがある方は、一度、当院で検査を受けてみませんか?
甲状腺機能低下症が要因で症状が発生している場合は、治療次第で軽減が図れるかもしれません。植嶋医院は24時間webより外来予約を受け付けております。

甲状腺機能低下症とは

甲状腺機能低下症は、甲状腺が十分な量のホルモンを作り出せない状態です。甲状腺は喉の前に位置し、全身の代謝を調節する重要な役割を果たしています。代謝とは、生物の体内で行われるすべての化学反応のことで、エネルギーの生成や利用、物質の合成や分解、老廃物の排出など、生命維持にとても重要な役割を担っております。したがって、甲状腺で生成されるホルモンが不足すると、体の機能が低下し、上記であげたような症状が現れます。

甲状腺機能低下症の原因

甲状腺機能低下症(Hypothyroidism)は、甲状腺が十分な量のホルモンを生成できなくなることで発生する病気です。この病気の原因は多岐にわたります。

橋本病(慢性甲状腺炎)

橋本病は、自己免疫疾患の一種で、最も一般的な甲状腺機能低下症の原因です。この病気では、自己免疫システムが甲状腺を誤って攻撃し、甲状腺組織が破壊されてホルモンの生産が減少します。

甲状腺手術

甲状腺がんや甲状腺腫などの治療のために、甲状腺の一部または全部を外科手術で切除すると、残った甲状腺組織がホルモンを十分に生成できなくなり、甲状腺機能低下症を引き起こします。

放射線治療

頭頸部のがんや甲状腺がんの治療の一環として行われる放射線治療も、甲状腺を損傷し、その結果、甲状腺機能が低下することがあります。

薬剤性甲状腺機能低下

抗甲状腺薬、リチウム、インターフェロンなど、特定の薬剤が甲状腺ホルモンの生成を阻害することがあります。これらの薬剤の使用が原因で甲状腺機能低下症を発症することがあります。

先天性甲状腺機能低下症

生まれつき甲状腺の発育不全や甲状腺ホルモンの生成障害がある場合、出生時から甲状腺機能低下症を発症することがあります。早期発見と治療が重要です。

ヨウ素欠乏または過剰摂取

甲状腺ホルモンの合成にはヨウ素が必要です。ヨウ素の摂取が不足すると甲状腺ホルモンの生産が減少し、逆に過剰摂取もホルモン合成を妨げることがあります。

下垂体または視床下部の異常

甲状腺ホルモンの生成を調節する脳の部分である下垂体や視床下部に異常があると、甲状腺にホルモン生成の指令が正しく送られず、甲状腺機能低下症を引き起こすことがあります。

加齢

加齢に伴い、甲状腺の機能が低下することがあります。特に高齢者においては、甲状腺ホルモンの生成が自然に減少することがあります。

このように甲状腺機能低下症といっても様々な原因が考えられます。甲状腺機能低下症の症状で悩まれている方は、一度、医療機関をご受診いただければと思います。植嶋医院では血液検査や甲状腺エコー、問診などを通じて原因を特定し、適切な治療をご提案いたします。

甲状腺機能低下症と橋本病

橋本病は、甲状腺に特異的な自己免疫疾患の一つです。体質の変化により、甲状腺が異物と認識され、自己抗体(抗サイログロブリン抗体TgAbや抗甲状腺ペルオキシダーゼTPOAb)が作られます。この抗体が甲状腺を攻撃し、徐々にその機能を低下させます。その結果、甲状腺機能低下症が発生します。橋本病の患者の中には、甲状腺の腫れや喉の違和感を感じる人もいますが、全ての橋本病患者が甲状腺機能低下症を伴うわけではありません。

甲状腺機能低下症の検査

甲状腺機能低下症が疑われる際に行うべき検査項目は以下の通りです。

血液検査

TSH(甲状腺刺激ホルモン)

TSHは脳下垂体から分泌され、甲状腺を刺激してホルモンを作る働きがあります。甲状腺機能低下症ではTSHの値が高くなります。

FT4(遊離サイロキシン)

FT4は甲状腺ホルモンの一種で、体の代謝を調整する役割があります。甲状腺機能低下症ではFT4の値が低くなります。

FT3(遊離トリヨードサイロニン)

FT3も甲状腺ホルモンの一種で、体内の様々な代謝活動をサポートします。甲状腺機能低下症ではFT3の値が低くなることがあります。

抗体検査

抗サイログロブリン抗体(TgAb)

甲状腺に対する自己抗体の一種で、橋本病や甲状腺の自己免疫疾患を示唆します。高値は自己免疫疾患の存在を示します。

抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)

甲状腺細胞を攻撃する自己抗体の一種です。橋本病などの自己免疫性甲状腺炎で高値を示します。

甲状腺超音波検査

超音波を使用して甲状腺の形状や大きさ、結節の有無などを調べます。甲状腺の腫れや異常を視覚的に確認することができます。

甲状腺機能低下症の治療

甲状腺機能低下症の治療は、症状の改善と甲状腺機能の正常化を目的として行います。甲状腺機能低下症の場合は、甲状腺ホルモンが不足している状態であるので、補充を行うか、低下する要因となっている要素の改善が重要です。

甲状腺ホルモン補充療法

甲状腺ホルモン補充療法としてレボチロキシン(チラージン、シンセロイド)があります。
レボチロキシンは、体内で自然に生成される甲状腺ホルモン(T4)の合成バージョンです。毎日一定量を服用することで、甲状腺ホルモンの不足を補い、症状を改善します。治療は通常生涯にわたり続けられ、定期的な血液検査でホルモンレベルを監視し、投与量を調整します。

栄養療法と生活習慣の改善

バランスの取れた食事や適切な運動は甲状腺機能正常化に役に立ちます。
食事では、ヨウ素やセレンなどの栄養素が甲状腺機能に重要です。適切な栄養を摂取することで、甲状腺の健康をサポートします。ただし、過剰なヨウ素摂取は避ける必要があります。また、適度な運動は代謝を高め、全体的な健康を維持するのに役立ちます。定期的な運動は気分の改善やエネルギーレベルの向上にも貢献します。

抗うつ薬や抗不安薬

甲状腺機能低下症に伴ううつ病や不安症状の治療に用いられます。これらの薬物療法は、甲状腺ホルモン補充療法と併用されることが多いです。

ストレス管理

ヨガや瞑想、リラクゼーション技術などを取り入れることで、ストレスを軽減し、全体的な健康を改善します。ストレスは甲状腺機能に悪影響を及ぼすため、適切な管理が重要です。

上記のような治療内容を定期的な血液検査でTSH、FT4、FT3のレベルを確認しながら行います。定期的な診察を行うことで必要な分だけの薬の投与量で治療ができますので、諦めずに通院しましょう。植嶋医院は24時間webより外来予約を受け付けております。

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