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糖尿病の治療

糖尿病とは

血糖値が膵臓から分泌するインスリン(血糖値をコントロールするホルモン)の作用不足にともなって高血糖の状態が続き、自覚症状がほぼ無いまま様々な悪影響を体にあたえる病気です。

そもそもインスリンとは?

インスリンとは胃の裏側にある膵臓という臓器から分泌されるホルモンの一種です。食後に血糖値が上昇すると、それに反応して膵臓のβ細胞からインスリンが分泌されます。

そして体中の細胞はこのインスリンの働きにより血中のブドウ糖を細胞内に取り込み、エネルギーとして利用します。余ったブドウ糖はグリコーゲンや中性脂肪に合成され蓄えられますが、その合成を促進するのもインスリンの働きです。

つまりインスリンとはブドウ糖をエネルギーとして利用するために必要なホルモンなのです。糖尿病が重症化してくると体が瘦せるのはブドウ糖をエネルギーとして利用できていないために食事を取っているにも関わらず飢餓状態になっているためとも言えます。

糖尿病を放っておくと

糖尿病を放置するとどうなるか?

し・め・じ の順で症状が現れるとされています、覚えてみてください。

(し)神経障害

早期から出現すると言われています。

高血糖の持続により神経の代謝異常が出る等、神経に栄養をあたえる血管が悪くなって神経の働きが悪くなる事が原因とされています。(例:足の指に傷があっても痛くない)

(め)糖尿病性網膜症

眼にある網膜という部分が、高血糖が持続するせいで悪影響を受け、徐々に視力が低下していきます(例:目のかすみ)

(じ)腎障害:糖尿病性腎症

腎臓は細い血管がとても多い臓器です。そのため高血糖が持続すると血管の状態が悪くなり最悪の場合は透析療法が必要となります。

糖尿病性腎症により透析患者となった方の5年生存率は50%とされています。

糖尿病の治療

糖尿病の治療目標は、血管合併症の発症、進展を抑止し、日常生活の質と健康寿命を確保することです。つまり、糖尿病でない人々と同じ質の生活で長生きする事が目標になります。

糖尿病の治療には食事療法・運動療法・薬物療法があり、患者様に応じて適切な組み合わせで治療していきます。

食事療法

食事療法の基本的な考え方は、必要以上のカロリーをとらないようにし、すい臓の負担を軽くして働きを回復させ、インスリンの補給による血糖コントロールを行いやすくすることです。そのため、適切なカロリーの範囲内で、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよくとることが大切です。

糖尿病患者さんが食事からとる適切なエネルギー摂取量は、年齢や性別、身体の大きさ、運動量によって、1人ひとり異なります。こうした違いを考慮したうえで、その患者さんに合ったエネルギー摂取量(指示エネルギー量といいます)を決めます。自分に合った指示エネルギー量は、食事療法を始めるときの手引きなどと一緒にお伝えします。

運動療法

運動療法は、食事療法と並んで糖尿病治療の基本です。
運動療法がなぜよいのかというと、2型糖尿病のおもな原因は、肥満、過食、運動不足によるものだからです。運動によりエネルギーを消費して、肥満を解消 ・抑制します。さらに運動を毎日続けていると筋肉の活動量が上がることで、悪かったインスリンの働きも改善します。さらに食後1時間頃に運動をすると、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促されて血糖値が下がるという効果もあります。

薬物加療

1型糖尿病はインスリン療法が必要です。

2型糖尿病では、食事療法と運動療法で血糖コントロールが十分えられない時に、病態や高血糖状態に合わせて経口血糖降下薬や、注射としてインスリンあるいはGLP-1受容体作動薬を用います。

経口血糖降下薬

ビグアナイド薬:肝臓での糖の新生や消化管からの糖の吸収を抑えるなど、すい臓以外に作用してインスリン分泌に関係なく血糖値を低下させます。体重を増加させにくく、インスリンの分泌に関係しないことが知られています。

SGLT-2阻害薬

腎臓で排出されるブドウ糖の再吸収を抑えて、尿に糖を多く出すことで血糖値を低下させます。

DPP-4阻害薬

食事をしたときに、腸管から分泌されインスリン分泌を刺激するインクレチンというホルモンの分解を抑制することにより、インスリン分泌を促進させます。その外にも血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌を抑制して血糖値を低下させます。

スルホニル尿素(SU)剤

すい臓のβ細胞を刺激してインスリン分泌を促進し、血糖値を低下させます。β細胞にインスリンを作る能力が残っている患者さんに使用します。

グリニド薬

SU薬と同じようにインスリン分泌を促進し血糖値を低下させますが、SU薬に比べて、血中への吸収と血中からの消失が速いため、効果が現れるまでの時間と効果が持続している時間が非常に短いのが特徴で、食後の高血糖を抑えます。1日3回、食事の直前(5~10分以内)に服用します。

チアゾリジン薬

脂肪細胞へ作用してインスリン抵抗性を改善して血糖を下げます。

インスリン療法

インスリンを直接補充することにより血糖値を下げる治療方法で、1型糖尿病患者さんには不可欠です。インスリン製剤は、効果が出てくる時間やその持続時間によって超速効型、速効型、混合型、配合溶解、中間型、持効型溶解という種類があり、患者さんの状態に合わせて選択します。

GLP-1受容体作動薬

阻害薬すい臓のβ細胞からのインスリン分泌を促進し、血糖を上昇するホルモンであるグルカゴンの分泌を抑制して血糖値を低下させるGLP-1というホルモンの働きを補完する注射薬で、食欲を抑える作用もあるとされています。

血糖値異常を指摘された方は当院へ

当院の糖尿病内科では身近なホームドクターとして、長く患者様を支えます

糖尿病は完治する病気ではありませんが、しっかりと治療を受け、血糖値を適正範囲内にコントロールし続ければ、進行を抑え、合併症の発症を防ぐこともできます。

そのためには、まず1日も早く病気に気づくこと。そして信頼できるホームドクターと、焦らず継続的に治療を続けていくことが重要です。当院は土曜日にも対応できるホームドクターとして、患者様に長く寄り添い続けます。

また、糖尿病患者は月1回の通院を推奨します。毎月、HbA1c検査・血糖値検査・尿検査を実施し、患者様の血糖値がうまくコントロールされているかどうかを調べ、内服薬を調整いたします。健康寿命を延ばすお手伝いをさせてください。ご来院される方は下記のweb予約をおこなっていただくと待ち時間が少なくご受診いただけます。

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