下痢の症状にお困りの方
下痢とは
水分量が多い便が何度も排出される状態を「下痢」といいます。下痢は、その持続時間により、短期間であれば急性の下痢、一ヵ月以上であれば慢性の下痢に分類されます。
- 急に激しい下痢になった
- 下痢だけでなく、嘔吐・吐き気がある
- 下痢だけでなく、熱もある
- 血便
- 時間が経過しても改善せず、吐き気がある
- 下痢に伴い、脱水症状がある・便を出した後も腹痛がある
上記のような症状がある場合、市販のお薬では回復させられない場合が多いので、お早めに当院にお越しいただき
診察を受けるようにしてください。
急性の下痢
- 感染性下痢症
急性の下痢は、90%以上が感染由来であると言われています。
多くの場合がいかに上げるウイルスによるものと、細菌によるものに大別されます。
☆ウイルス性
ノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルスなど、人から人への感染が多いです。
放っておいても数日〜1週間程度で回復します。
医療機関においても特効薬は存在せず、整腸剤や吐き気止めなどが治療の中心になります。
ウイルス性の下痢で注意すべき点は、激しい嘔吐・下痢により脱水になってしまわないようにすることです。
水分を摂取できているかが大切で、尿量(おしっこの量)を注意深く観察していただき、尿量が少ないようでしたら点滴による水分補給が必要となります。
☆細菌性
病原性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラなど、肉の生焼けや食中毒などが原因になることが多いです。
よく焼いたものでも、細菌の付着した手やトングなどから食物に付着することにより感染することも多くありますので、調理の配布時や食事前には、よく手を洗うように気を付けましょう。
これらの感染症では、粘血便や緑黒色便など、水状の下痢便だけでない特徴的な便が排泄されますので、便の状態や回数などをよく観察することが大切です。
また、免疫力の弱いお子さんやお年寄りでは、重篤な状態になることがありますので注意が必要です。
- 非感染性下痢症
暴飲暴食、アレルギー、薬剤の副作用、心理的ストレスなどが下痢の原因となることがあります。
症状が出現した時期に、新しい薬を始めた、仕事が忙しくなったなど、原因がないか思い出してみましょう。
慢性の下痢
慢性の下痢の主な原因として、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患が挙げられます。
そのほか、抗生物質などの薬の副作用、消化不良、食あたり、ストレスなどで起こることもあります。
なお、大腸がんが原因で慢性的な下痢が起こる場合もありますので、症状が長引く場合には「ただの下痢」と自己判断をせずに、お早めに当院にご相談ください。
下痢の検査について
①問診
下痢の検査で最も重要なのが問診です。
急性発症か、慢性か、家族に同様の症状の人がいないか、生ものなどの摂取歴はないか、下剤や抗生物質などの薬剤を飲んでいないかなど、問診でおおよその検討を付けることが可能です。
②血液検査
血液検査では、下痢の原因となる疾患の炎症の有無を調べることができます。
③便検査
便培養検査では、下痢の原因となる菌の特定を行うことができます。
④大腸内視鏡検査
慢性の経過や、血便がある場合は、大腸内視鏡検査を行うことがあります。
大腸の粘膜を調べ、異常をきたしている粘膜を見つけた場合は、採取して生検を行います。
※当院では行っておりませんので、院長自ら紹介状を書き、近隣の医院をご紹介いたします。
下痢の治療法
急性下痢の場合、ウイルス・細菌感染による胃腸炎が原因で起こることが多いので、整腸剤を使っての治療や、抗生物質の投与などを行います。
症状が強い場合、血便を伴う場合、特定の細菌感染が疑われる場合には抗生物質を処方する場合もあります。
止痢剤は基本的には処方しません。嘔吐などが見られ、経口での水分補給が難しい場合は、点滴を行う場合があります。
点滴を行うことで、水分補給をしつつ、経口摂取をするよりも早く栄養を全身にいきわたらせることができます。
慢性下痢の場合には、各種検査を行って原因を判明させたうえで、適切な治療を行います。
大腸カメラ検査が必要な場合には、当院では行っておりませんので、院長自ら紹介状を書き、近隣の医院をご紹介いたします。
原因となる病気が見つからない場合、過敏性腸症候群が考えられるため、生活習慣の改善やストレスの解消などをアドバイスして治療していきます